突然ですが、あなたは技術力に自信がありますか?営業経験のある人やプレゼンに自身のある人であれば、営業は苦にならないかもしれませんし、「むしろ人と会って話をすることが楽しい」かもしれません。
しかし、そうでない人の場合、営業と言ってもなかなか行動ができず、また「そもそも何をすれば分からない」ということもあると思います。そこで、本記事では、そんな人のために「ニュースレターが有効な営業ツール」である、というお話をします。
口下手な人こそニュースレターを始めるべき!
あなたはセールストークに自信がありますか?私は、口下手というほどではありませんが、自信があるかというと、さほどありません笑 ただし、仕事の専門分野であれば、かなり話すことができます。それも饒舌に笑 同じように
「専門領域であればいくらでも話せる」
「ただし、思い切った商品・サービスは苦手」
「クローズに向かうトークに慣れていない」
という人は多いのではないでしょうか。
そんな人こそ、ニュースレターが向いていると思います。ニュースレターでセールスをすることはオススメしていませんが、あなたの専門性をお客様に伝え、信頼を得るにはとても相性の良いツールです。
ニュースレターでお客さんの役に立つ情報を提供することで信頼感がアップする
ニュースレターであれば、セールストークやプレゼンをする必要はありません。レター上で定期的にお客様の役に立つ情報を提供するだけです。つまり、あなたの専門領域を「お役立ち情報」として伝えれば良いのです。それが顧客からの信頼を得ることにつながります。
喋りが上手くなくても、契約に向かう台本を用意しなくても、自然とお客さんのほうからあなたに問い合わせがくるようになります。お客様はニュースレターを購読し、既に信頼を置いている人ですから、あなたの喋りが上手くなくても、それは「一生懸命話をしてくれている」「誠実な人」と映るくらいだと思います。
プレゼンが下手でも、面白おかしい話ができなくても、ニュースレターがあなたの信頼を高める営業ツールとして活躍してくれます。
ニュースレター制作のコツ1:対象を絞ろう
さて、ニュースレターを作って、やみくもに発行、手渡しをしてもあまり意味がありません。
ニュースレターを作り出す前にまず、「誰向けに作るのか」「誰に読んでほしいのか」を絞る必要があります。
※弊社の場合は、士業・コンサルタントの方というふうに対象を絞っています。
対象を絞ると
「それ以外の人たちに響かないのでは・・・」
「無関係と思われてしまわないか」
という意識が働き、ついつい「あらゆる人向けです」と打ち出したくなりますが、それは大きな間違いなのです。
実は対象を絞った方が結果的に取引先の広がりにつながることもあります。余談ですが、対象を絞ってビジネスをしていると、当然そのターゲット層の顧客が増え、そのターゲット専門の会社というふうに見られ始めます。
すると、面白いことに、ターゲット外の会社からも「うちは別業種だけどお願いできますか?」といった話が来て、結果的に顧客層が広がることも珍しくありません。
ターゲティングは重要!
ですので、士業・コンサルタントの方であれば、
「製造業向けコンサルタント」
「社員10名以下の企業」
といったかたちで、業界や規模を絞ってしまう方が良いです。
つまり、「ポジショニング」です。
さらには、「売り上げアップ」「業務改善」「社員モチベーション」など、自社のサービス(提供したいこと)を絞ってしまう方が読者には「何をしてくれるのか」が分かりやすいです。
ほかにも、エリアを限定しても良いと思います。エリアを限定することが得られるメリットが大きく2つあります。
エリアを限定することが得られるメリット1:地域に根付いた活動ができる
エリアを限定することが得られるメリットの1つ目は、その地域に根付いた活動ができることです。地域で名を知られることが紹介などに一番むすびやすく、また地域No.1を目指すに最も近道になります。
エリアを広げたほうが広範囲にお客さんを獲得できるような気がしますが、そんなことはありません。ターゲットがぼやけることにつながるのでおススメしません。詳しくは下記でも説明しますが、地域に根付いて活動するほうが信頼を高めるのには有効です。
紹介を得るにしても、あまりに遠くであればわざわざ足を運ぶのも面倒になります。しかし近所であれば、すぐにでも会うことが可能です。起業初めなどであれば、地域に覚えてもらうためにもまずは地域No.1の●●を目指すほうが良いでしょう。
エリアを限定することが得られるメリット2:時間短縮になる
エリアを限定することが得られるメリットの2つ目は、時間短縮になることです。営業エリア拡大は対象顧客を広げる点では有効です。しかし、費用対効果という視点で考えてみる必要があります。
たとえば、移動に1時間以上かかる見込み客に何度も足を運ぶと、往復で2時間、打ち合わせ時間を含めると1回の顔合わせで3~4時間見ておく必要があるでしょう。一方エリアを限定し、事業所周辺の市や区にしてしまえば、移動時間が1時間以下で済むことが多くなります。
横浜で事業をしている知り合いの話をすると、その方は売上アップのため営業エリアを少しずつ拡大していきました。ある会社から紹介をいただき、東京の多摩地域の会社との取引をはじめ、さらに営業を続け、埼玉の川越のほうの会社との取引を実現させました。新規顧客が増えるのは素晴らしいことです。
しかし、打ち合わせや納品のたびに東京・埼玉まで出向くことが徐々に「割に合わない」となり、そうはいっても発注していただけるので断ることもできない、という難しい思いを抱えることになってしまいました。特に個人事業者などマンパワーが限られるのであれば、1日の活動時間を考えたとき、エリアを限定するのは大切なポイントです。
ニュースレター制作のコツ2:ニュースレターではベネフィットを伝える
では対象を絞ったらニュースレターで何を伝えるか?それはシンプルです。ここで伝えるべきなのは、
顧客にとって、「このサービスが自分・自社にとってどんな良いこと・メリットがあるのか」に限ります。ニュースレターでは、その具体例を分かりやすく伝えることが大事です。つまり、ベネフィット(利益、恩恵など顧客が得る価値)です。
ニュースレターで商品・サービスの説明だけで終わるのは避ける
よく、捉え違いをしてしまうのが「商品・サービス」の説明に終始してしまうことです。それ自体が間違っているわけではありませんが、読者視点で考えると、あまり意味がなかったり、たんなる知識で終わってしまったりしてしまいます。ですので、伝え方でいうと「これができます」で終わらず、
「これを導入することでこのようなメリットがあります」という方が効果的です。
「こういうコンサルができます」ではなく、
「こういうコンサルをすると、あなたにはこのような効果があります。」というような伝え方です。
ニュースレターには読者のメリットになる話し、役に立つ情報を掲載しよう
多くの場合、会社のHPにある、会社概要・事業内容のようなことしか書かれていません。しかし、それだと読者は、その事業内容から自分たちにどのようなメリットがありそうなのかをイメージするしかありません。そうではなく、文を読んでいくだけで自分たちにどのようなメリットがあるかをイメージさせるような内容が大切なのです。
ニュースレターを発行した後は、機を見てセミナーを開催する
ニュースレターは出しっぱなしだと効果は薄くなってしまいます。なぜなら、ニュースレター自体は短期戦略ではないからです。発行し続けてこそザイアンス効果が高まり、信頼、親近感を得られるわけです。
また、チラシと比べると効果は薄くなります。ニュースレターの大きな特徴の1つは「顧客との関係性を継続的に築く」ことにあります。ではそのためになにをするか?
効果的な営業展開の1つが「セミナー」です。先ほどチラシとは違うという話をしましたが、不特定多数に届くチラシと違い、ニュースレターは配信先が限定される、いってみれば「会員限定」の情報誌です。そして、継続的に届けられているので、あなたのことはよく知られているでしょう。そこで開催するのがセミナーなのです。
ニュースレターで提供している内容をより深く、顧客事例などを含めた情報をセミナーで話したり、専門領域のゲストを招いたりするなどで、セミナーの参加価値を高めることで切るでしょう。セミナーも単発で終わらず、定期開催する方が効果的です。毎回の開催で10社ほどの参加が見込めるのであれば、そこから仕事につながるところも安定的に生み出せるはずです。そして、仕事につながったのであれば、その顧客の事例をまたセミナーで話すなど、新たな情報提供もできるようになります。
まとめ:営業が苦手は人こそニュースレター。ただし商品・サービスのセールに終始しないことなどに注意
ニュースレターは始めること自体は難しくありません。しかし、効果を出すためにはある程度の準備が必要になります。誰に出すのか?誰に読んでもらいたいのか?を考えることは最低限のことです。
そして、何を伝えるのか?も同じくらい大切です。ニュースレターでどのようなことを伝えるのか、「コンテンツ」は大切になります。機が熟したと感じたらセミナーなど次の展開を検討しましょう。ニュースレターだけで売り上げをアップさせることはなかなか難しいのが現実です。
また、繰り返しになりますが、ニュースレターの内容でも、セミナーで話すことも同じで、商品・サービスの特徴に終始しないことです。商品・サービスを使うことのベネフィットを伝えることを意識しましょう。私たちは、自分にとってメリットがあると感じれば、商品を購入します。そうでなければ、商品の説明を聞いて、商品の理解を深めるだけで終わり、購入までの行動はしません。特徴を伝えることのボリュームを割くのではなく、相手が得られるベネフィットに注力するようにしましょう。